毎年9月に入ると陸上採苗もいよいよ本格化します。写真はカキ殻と海苔の種です。
実は海苔の糸状体といわれる種は、このカキ殻の中で育っていくのです。
このカキ殻から糸状体を海水中に放出させて、収穫するためのノリ網につけるのです。
この段階では、水温と光の調整が非常に重要となります。
カキ殻から海苔の種が出ているかどうか、顕微鏡で見ているところです。
種がでていることが確認できれば、ノリ網に種をうまくつけることができるのです。
ここでうまくいかないと水車を回してもノリ網はできあがりませんので、顕微鏡で見るという作業は非常に重要です。
ノリ網をまきつけるとこんな感じになります。
この水車を回して種付けを行なっていきます。だいたい150枚くらいを水車に巻いています。
シーズンに何千枚もつくる作業となります。
11月に入ると海苔の収穫が始まります。この時期は秋芽と言って一番よい海苔が獲れます。
金沢漁港は、自然海岸である野島海岸の前面で海苔ひびをたてて海苔養殖を行なっています。
先にご紹介した水車で種付けしたノリ網がこのひびにつけられています。
海苔網の下に船を潜り込ませて、網についている海苔を収穫していきます。
港に置いてあるときはちょっと怪しい船のように見えますが、これが今一番海苔を収穫する船としてはポピュラーです。
海苔を収穫した後の漁船です。
ノリ網の下に潜り込めるような構造になっているため、船首(船のへさき)からパイプが後ろ側に向かって設置されています。
これが黒々とした立派な野島名産の美味しい海苔です。
実は、海苔は病気が出やすい海藻です。
海水の温度、塩分濃度など自然に頼る部分も多く、ノリ網を展開した後も漁師は色々と気を使います。
まずは収穫した海苔を洗浄します。船上から海苔を吸い上げ、機械で綺麗に洗い上げます。
洗い上げた後に、糸くずや海老などの不純物を取り除き、収穫した海苔をまとめてミックスします。
皆さんがよくお店で見るような、ぜん判サイズの大きさまで小さくしていきます。
こうして、黒々として艶もあって美味しそうな野島名産の美味しい海苔が出来上がりました。
現在では、機械化されたとはいえ、この工程までは自然との戦い、収穫作業も含めて大変です。
金沢漁港では、これからも美味しい海苔を皆様の食卓にお届けできるよう頑張っていきます。